長く指導をやっていると、親御さんから相談を受けることは多々あります。内容は様々ですが、大きくは①チームに対する不満、②自分の子どもに対する不満、の2点に集約されるように感じます。実際に受けてきた相談の内容と、私なりの答え方を振り返ります。
親からの相談は大きく2つに分かれる

長く指導をやっていると、親御さんから相談を受けることは多々あります。内容は様々ですが、大きくは以下の2点に集約されるように感じます。①チームに対する不満、②自分の子どもに対する不満です。相談の背景には、それぞれ違う事情や親御さんの気持ちがあります。
長年多くの親御さんと接してきた中で、相談の内容にはある程度の傾向があると感じるようになりました。ここからは、それぞれの相談についてどう考え、どう答えているかを詳しくお伝えしていきます。
チームに対する不満の正体

所属しているチームが勝利至上主義で、コーチらも勝つために子どもたちに対して相当厳しくて、親がその光景を見ていられない、レギュラー組とそれ以外を明確に分けて扱いが平等ではないなど、コーチらのパワハラ的な言動、行動が原因で不満を持つ親御さんは多いです。
どうしても勝ちにこだわると、目の前の試合に勝つことを優先して厳しい指導で子どもたちに指示をして動かそうとします。そしてこのようなチームが強くなって、強いから人も集まるという流れができているように感じます。
移籍という選択肢にもっと寛容であっていい

その中で何かチームや指導に対して疑問、不安を感じたのであれば、そんな時は選択権は親側(子ども側)にあるので堂々と移籍をすればいいのです。日本の育成年代は閉鎖的というか、移籍があまりにも少ないように感じます。
Jリーグを見れば移籍なんて当たり前ですし、J1で出られない選手はJ2、J3に活躍の場を求めて堂々と移籍しています。ヨーロッパでは育成年代であっても移籍はすごく多いです。私が指導している県でも「移籍=悪」みたいな印象があって、チームに対して裏切りになる、周りからどう見られるか的な後ろ向きな考えの人が多いのが現状です。
どうしても強いチームに人が集まる傾向にあるのも事実で、強いチームは勝利至上主義なチームが多いので、どうしても親と子どもとの間に軋轢が生じてしまいます。移籍に対してもっと寛容になってほしいものです。
親と子どもでしっかり話し合うべきこと


しかし、親がチームに対して不満があっても、子どもがこのチームに残りたい、強いこのチームでやりたいと言われれば、これは親と子どもでしっかり話し合うしかありません。子どもは今のチームしか知らないことも多く、親が子どもになぜ移籍するのかをしっかり説明する必要があります。
ただ間違ってはいけないのは、最後の選択権は子どもにあることです。全て説明した上で、最後は子どもに選択させるべきです。これをやらないと「だってパパがこっち行けって言ったもん」になってしまい、親が全て決めてしまうと子どもが先々ダメになっているケースはよく見ます。
完璧なチームは存在しない

ただ、100%完璧なチームはありません。その中で親御さん、子どもが納得できるチーム選びをしてほしいです。チーム選びに正解はなく、その時点でその子とその家庭にとって一番納得できる選択をすることが大切だと考えています。
完璧を求めすぎず、今のチームの良いところにも目を向けてみることをお勧めしています。不満だけに目が向くと、そこで得ている良い経験まで見えなくなってしまうことがあるからです。移籍するにしても残るにしても、家族で納得して決めたという事実そのものが、その後の子どもの気持ちを支えるように感じています。
自分の子どもに対する相談も多い

私は親御さんともかなりコミュニケーションをとるので、これも非常に多い相談です。自分の子どもを見ていると動きが遅くてイライラする、もっとこんな選手になってほしい、負けても笑っている、パッションが足りない、プレーが消極的、負けず嫌いにするにはどうしたらいいですか、自宅でどんな練習をすればいいですか、トレセンに入るにはどんな練習をすればいいですか、などなど挙げればキリがありません。それだけ、我が子の成長を真剣に考えている親御さんが多いということだと感じています。
負けず嫌いな子に育てるために大切なこと

例えば、負けず嫌いな子にするにはどうすればいいのか。これは日々の練習だけでは難しいように感じます。子どもとコーチが接する時間は非常に短いです。それ以上に親といる時間の方がはるかに長いので、その時間をどのように過ごすかで変わってくるように思います。
私は親御さんには、できるだけ子どもの自主練に関わってくださいとアドバイスしています。その中で1対1など子どもと勝負して、大人が絶対勝ってくださいと言っています。かわいそうだからといってわざと負けても駄目です。とにかく親もその勝負事に対して一生懸命な背中を見せることです。
親自身が本気で向き合う姿勢

本田圭佑選手も子ども相手にサッカーをするとき、本気でやって絶対に負けないことを実践しています。これをやることで子どもは子どもながらに悔しさが芽生えてきます。大人だから勝って当たり前で大人げないと思う人もいるかもしれませんが、これは結構大事です。
サッカーだけではなく、日常の中で勝負事を増やして子どもと勝負して、子どもが負けることを経験させることで、負けず嫌いは育っていくように思います。結局スポーツは勝負事なので、勝った負けたをどんどん普段からたくさんあった方がいいと思います。


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