2026年北中米ワールドカップで日本代表の初戦はオランダ戦です。日本時間6月15日(月)午前5時、米テキサス州ダラスでキックオフを迎えます。
W杯本番まで残り9日となった6月3日、オランダはホームでアルジェリアと壮行試合を行い、0-1で敗れました。主力を先発起用しながらFIFAランキング28位の相手に無得点。現地でも波紋が広がっており、実際の報道をもとに整理します。
壮行試合の結果は本番に直結するのか?過去大会を振り返り検証する
オランダがアルジェリアに0-1で敗れたことを受け、「壮行試合の結果は本番に関係あるのか」という声が各所で上がっています。過去のW杯を振り返ると、壮行試合の結果が本大会の成績に直結しない例は多くあります。
2022年カタールW杯:壮行試合で勝ったドイツが本番で敗退
大会直前の強化試合でドイツは格下相手に1点差で勝利しました。フリック監督は試合後、「守り方に満足していない。W杯ではこのようなプレーをしてはいけない」と不満を口にしており、内容面での課題は試合前から見えていました。それでも結果は勝利。
一方、日本は大会直前の強化試合でカナダに1-2で敗れ、黒星を抱えたまま本大会に臨みました。ところが本番ではドイツに2-1、スペインに2-1と強豪2か国を立て続けに撃破してグループ首位通過を果たしています。壮行試合で勝ったドイツはグループ敗退、負けた日本がグループを突破するという結果になりました。
2018年ロシアW杯:監督解任の混乱を抱えたスペインがグループ突破
大会直前にロペテギ監督が突然解任されるという事態に見舞われたスペインは、急遽イエロが新監督に就任して大会に臨みました。壮行試合ではチュニジアに1-0で勝ったものの、チームとしては不安定さを抱えたままでした。それでも本番ではポルトガルとの初戦を3-3で引き分けた後、グループを1位で突破しています。
2022年カタールW杯:壮行試合で日本に勝ったカナダが本大会でグループリーグ3連敗
日本から逆転勝利を収めて大会入りしたカナダは、36年ぶりのW杯出場にもかかわらずグループリーグで3連敗に終わりました。
【国内外メディアの報道】アルジェリア敗戦でW杯直前のオランダに何が起きているか
【Inside World Football】オランダ、アルジェリアに0-1敗戦でW杯前に「目覚まし」を食らう
国際サッカー専門メディア『Inside World Football』は試合翌日、クーマン監督の発言を中心に、敗戦を「目覚まし」と受け止める姿勢を詳報しました。クーマン監督は試合後、「目覚ましのきっかけになると思っている。良い場面もあったが、試合が進むにつれて状況は悪化した。交代選手だけのせいにはしない。ただ後半は前半よりプレーが雑になり、チャンスも少なくなった」と振り返りました。
また「ホームでこういう試合に勝つのは義務だ。負けることが死ぬほど嫌いで、選手たちにもそう伝えた」とも語っています。FWマレンについては「彼は普段、所属クラブのASローマで唯一の前線としてプレーしている。
少なくとも1点は決めないといけない。普段ならそれができる選手だ」と名指しで言及しました。後半から投入されたデパイも得点にはつながりませんでした。オランダは近年続けていた負けなしの記録をアルジェリア戦で止められた形です。残る壮行試合は渡米後の6月8日、ウズベキスタン戦のみです。

【beIN SPORTS】オランダ 0-1 アルジェリア:xG2.20を活かせず、W杯直前の準備に暗雲
カタール系スポーツメディア『beIN SPORTS』は試合当日、詳細な試合レポートとスタッツを掲載しました。オランダは期待ゴール値(xG)2.20を記録し、アルジェリアの0.48を大きく上回りました。
数字の上ではオランダが優位でしたが、チャンスを活かせませんでした。前半はマレンがポストを叩く場面や、ラインデルスのゴールがオフサイドで取り消される場面があり、スコアレスで折り返しました。後半はハーフタイムで両チームが大幅にメンバーを入れ替え、フェイエノールトのハジ・ムサがアルジェリアの切り札として途中投入されました。
終盤、ハジ・ムサが右サイドからカットインし、ペナルティーエリア外から左足のカーブシュートを決めて決勝点を挙げました。記事では、負傷離脱したダンフリース不在の影響も指摘されていました。クーマン監督が本番までにメンバー構成を再考せざるを得ない状況を示唆しています。

【フットボールチャンネル】「求めていた結果ではない」オランダ代表キャプテンが悔しさをにじませる
フットボールチャンネルは、キャプテンのファン・ダイクが母国TV番組『NOS』のインタビューに応じた内容を報じました。ファン・ダイクをはじめ主力の多くが後半開始から順次交代し、チームの形が崩れたところで86分にハジ・ムサの左足ミドルを浴びて失点しました。
ファン・ダイクは試合後のインタビューで「国内での最後の試合で、求めていた結果ではない」と語っています。

【サカノワ】日本代表に追い風!? 初戦相手オランダがアルジェリアに敗れる。ガクポ、マレン不発
サッカー専門メディア『サカノワ』は、ロッテルダムで行われた母国での最終壮行試合を詳報しました。CFと右ウイングで起用されたマレンは4本のシュートを放ちながらゴールネットを揺らせず、左ウイングのガクポも積極的に仕掛けたものの決定的な仕事にはつながりませんでした。
一方アルジェリアは球際への厳しい守備からカウンターにつなげ、わずかなチャンスをものにしました。また同記事は「フェイエノールトで上田綺世と同僚であるハジ・ムサが決勝点を決めた」と伝えています。なお、オランダはアメリカへ渡った後、現地6月8日にニューヨークでウズベキスタン代表と対戦する予定です。

【ファンの声(Xより)】オランダまさかの敗戦に “日本は油断するな”とSNSで警戒の声
SNS上でも、オランダの敗戦には多くの反応が集まっています。日本代表への影響を冷静に読む声や、警戒を呼びかける声など、さまざまな視点が飛び交っており、試合前から注目度の高さがうかがえます。特に多く見られるのは、「壮行試合の結果だけで判断するのは危険だ」といった冷静な指摘です。また、決定力不足や速攻への警戒を挙げる声も少なくありません。
「壮行試合とはいえ、付け入るスキは十分にありそうです」と日本代表のチャンスを見出す前向きな声がある一方で、「この敗戦で逆にオランダの気が引き締まって強くなるような気がしています」と、相手の逆襲を警戒するリアルな意見もあり、初戦を前にしてファンの間でも非常に引き締まった緊張感が漂っています。
【Q&A】アルジェリア戦についてよく聞かれること
Q1. アルジェリア戦の敗因は何だったのですか?
クーマン監督は「後半は前半よりプレーが雑になり、チャンスも少なくなった」と認めています。xGは2.20でしたが、無得点に終わりました。エースのデパイはベンチスタートとなり、後半から途中投入されたものの精彩を欠きました。
欠場したダンフリースに代わる右サイドバックの人選も残ったままで、86分のハジ・ムサの一発は守備の集中力が90分間持続しなかった結果でもあります。
Q2. 日本はW杯の初戦で強豪国に勝ったことがありますか?
あります。2022年カタール大会では初戦でドイツと対戦し、前半を0-1で折り返しながら後半に逆転して2-1で勝利しました。同大会のグループリーグ第3戦でもスペインを2-1で下し、グループ首位で決勝トーナメントに進んでいます。
どちらも前半は劣勢でしたが、後半の交代策と切り替えの速さで流れを変えた試合でした。一方、オランダ戦に限ると過去3度の対戦で1分2敗と、まだ一度も勝ったことがありません。
唯一のW杯での直接対決は2010年南アフリカ大会で、0-1で敗れています。当時出場していたスナイデル氏は後に「苦戦した」と振り返っており、点差ほどの内容差はありませんでした。直近の対戦は2013年11月の親善試合で、日本は2点を追う展開から2-2に追いついて引き分けています。
Q3. アルジェリア戦の敗戦はオランダにとってどの程度深刻ですか?
90分での敗戦は2024年10月以来15試合ぶりで、主要大会前の壮行試合での黒星としては珍しい結果になりました。現地紙『Algemeen Dagblad』は「手を振ってW杯へ旅立つシナリオはゴミ箱に消え去った」と報じ、現地紙『デ・テレフラーフ』はダンフリースを欠く状況について「本番でも主力が使えなければ深刻な懸念だ」と警告しています。
クーマン監督は「パニックになる必要はない」と語っており、6月8日のウズベキスタン戦が立て直しの機会になります。
【監督8年で感じたこと】全国大会の初戦で強豪校に敗れた日、私が学んだ「入り方」の大切さ
ヘッドコーチを務めていた北陸の高校で、全国大会の初戦に前年度のシード校と当たった大会がありました。相手は全国でも名の通ったチームで、個人の能力は明らかに向こうが上でした。
前日のミーティングで選手たちに伝えたのは「最初の10分で自分たちのサッカーをやれるかどうかが全てだ」という言葉だけです。ところがいざ試合が始まると、キックオフ直後から相手のプレス強度に飲み込まれ、最終ラインから前へ出ていくことができない展開が続きました。
前半15分、相手の右ウイングバックに裏へ抜け出され、先制ゴールを決められました。そこから試合は常に追う展開になり、結果は1-2の敗戦でした。翌日に映像を見返すと、選手たちのポジショニングも声の掛け合いもほぼ練習どおりでした。問題はそこではありませんでした。
最初のルーズボールの競り合いで相手に制され、セカンドボールを次々と拾われた。その積み重ねが試合の主導権を渡すことにつながっていたのです。翌年の同じ大会では、反省を踏まえてトレーニングの中身を変えました。
戦術の整理ではなく、試合の立ち上がり5分間に全力を注ぐ強度を練習で繰り返し体に染み込ませました。相手のボールを奪いにいくためではなく、「出だしで自分たちが戦えている」という感覚をチーム全体が持てるようにするためです。翌年の初戦は勝利しました。
試合後にキャプテンが「最初のルーズボールを取れた瞬間に、いけると思った」と言ったのが今でも印象に残っています。勝因は戦術でも個人能力でもなく、入り方の強度でした。
アルジェリア戦でオランダが露わにした「前半は良かったが後半に雑になった」という流れを見て、あのシード校との試合を思い出しました。どれだけ個の力が上でも、90分間を通じた強度が保てなければ試合は動くものだと、現場で何度も見てきたからです。
【まとめ】壮行試合の敗戦で揺れるオランダ、日本に付け入る隙はあるか
W杯初戦9日前のアルジェリア戦敗戦は、オランダに複数の問題を突きつけました。xG2.20で無得点という数字が残り、クーマン監督は「後半は雑になった」と認めました。
国内ファンのSNSには「情熱も野心もない」「退屈で保守的なサッカー」という言葉が並び、現地メディアでも「赤面して飛行機に乗り込んだ」と報じられました。beIN SPORTSは「ダンフリース不在の穴が埋められなかった」と指摘しており、本番での人選も課題として残ります。
ただし冒頭でも触れたとおり、壮行試合の結果が本番に直結しないことは過去の大会が示しています。直前の黒星だけでオランダの実力を判断するのは早計です。
それでも日本にとって、対戦相手が自信を失いかけた状態でW杯に向かうという状況は追い風です。スポニチアネックスも「森保ジャパンにも付け入る隙はありそうだ」と伝えています。6月15日の早朝、ダラス・スタジアムでその答えが出ます。
W杯グループFの全容を知りたい方は下記の記事をご覧ください


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